大黒天

七福神の中の一人【大黒天】は日本人にとって親しみのある神様ではないでしょうか?

というのも、この神様は古事記では有名な【大国主命】と同一視されているからです。

とは言うものの、実は全く違う神様なんです。

今回は大黒天について紹介します。

大黒さま

大黒天親しみを込めて【大黒さま】と呼ばれる大黒天。

多くの人が連想する基本的な格好は、左肩に大きな袋を背負い、右手に打ち出の小槌を持って、米俵を踏んでいる姿ではないでしょうか?

恰幅の良い福々しい姿は【因幡の白兎】を救ってあげた大国主命を連想させるかも知れませんね。

しかし、元々の大黒天のルーツは、サンスクリット語で【マハーカーラ】と呼ばれるインドの神様なのです。

漢字にすると【摩訶迦羅】となり、マハーは大、カーラは黒を意味するため、大黒天と呼ばれるのです。

この【大黒】と【大国】は両方とも【だいこく】という同じ音ですね。

そのため、大黒天と大国主命が同一神として考えられるようになって、やがて大黒さまは福の神というイメージに発展していったと考えられています。

大黒さまの御利益

七福神の一人だけあって、とても良い御利益をもたらしてくれるようです。

【良縁成就】は実の兄たちの嫌がらせを排し、数々の苦難を乗り越えて美しい妻を迎えた大国主命を連想させますね。

【金銀財宝】【商売繁盛】【立身出世】はそれぞれ現世での幸福を表していますし、【極楽往生】ということは、死んでからも天国に行けるということで、なんともすばらしい御利益だと思います。

インドのマハーカーラ=大黒天

マハーカーラ
出典:https://ameblo.jp/goldforest33/entry-12241401711.html

大黒天は出身のインドでは、ヒンドゥー教主神の一人であるシヴァ神の化身であり、福の神のイメージとは全く正反対の青黒い身体を持つ破壊の神・戦闘の神でした。

様々な絵にその姿が描かれていますが、戦闘の神だけに、すさまじい形相で髪の毛を逆立て、忿怒相(ふんぬそう・怒りの表情)をしているものばかりです。

顔だけでなく、体も様々な表現がされていて、三面八臂(三つの顔に八本の腕)で、腕には武器や人間、獣などを掴んで、髑髏の首飾りをかけているという神と言うより悪魔のような姿のものもあるのです。

なぜ青黒い身体をしているのかは不明ですが、インドの伝説では太古に大海が掻き乱されたときに、カーラーハーラという毒が出てきたそうです。

そのままにしておいては世界が滅びてしまうと思ったシヴァ神はその毒を飲み込んだのです。

するとシヴァ神の首は黒く変色してしまったと言われています。

カーラーハーラというのは大黒天の元々の名前マハーカーラと似ていますね。

そこから青黒くなったという理由付けをしたと思われます。

台所の神?

大唐南海寄帰内法伝インド生まれの大黒天はいろいろな絵に表現されていますが、決して全部が全部恐ろしい姿で描かれていたわけではありません。

唐の僧義浄(635年~713年)はインドへ渡り、教典の数々をもたらしました。

義浄より少し前インドへ行った玄奘は陸路を使いましたが、彼は海路を使ったそうです。

ナーランダ寺院など、数々の名跡に学んだ義浄がインドへの旅行記として書いた『大唐南海寄帰内法伝』には「インドの寺院の台所の柱には、金の袋を持った二尺から三尺(約60~90㎝)ぐらいの小さな大黒天が祀られており、油でその体を拭くので、その身体は黒くなっている」とあります。

つまり、大黒天には台所の神として祀られていたということですね。

その後、台所の神・大黒天という一面は伝教大師最澄(797年~822年)によって日本に伝えられました。

やがて比叡山を中心とした天台宗の寺院で大黒天を台所の守護神として祀るようになったそうです。

三面大黒天

三面大黒天

最初に比叡山に祀られた大黒天は【三面大黒(さんめんだいこく)】と呼ばれ、正面に大黒、向かって左に毘沙門天、右に弁財天の3神を配したとても珍しいものだったと言われています。

大黒天という名前なのに、毘沙門天弁財天と一体化しているのは変わっていますよね。

いずれにしても、インドで生まれ、中国経由で日本へ大黒天の信仰が伝わっていくうちに、戦いの神・大黒天の恐ろしい形相は次第に優しいものに変化していったと思われます。

大国主命との合体

大国主命
出典:https://matome.naver.jp/odai/2145744546458117501/2145745233461826103

日本で大黒天信仰が一般に広まるようになったきっかけは、大黒天と大国主命が合体(同一視)されたおかげと言われています。

と言うのは、大国主命の【大国】と【大黒】の音が通じ合うので、両者が同一視されるようになったことにもよりますが、天台宗を中心とする仏教側からの働きかけもあったとも考えられています。

十四世紀に書かれたらしい『三輪大明神神縁起』によると、最澄の前に大黒天に変化した三輪大明神が出現したそうです。

奈良県にある三輪大明神は大国主命を祀っています。

その三輪大明神が大黒天に変化したということは、大国主命が大黒天に変化したものと考えられ、そこから大国主命=大黒天という図式ができたのです。

中世には、仏教と神道を近づける(同一視する)ために、『縁起』と呼ばれる神仏の由来書が多く書かれるようになりました。

大黒舞

大黒舞(奈良絵本)
出典:https://www.nijl.ac.jp/pages/articles/200607/

若い人は聞いたことがないかも知れませんが、【大黒舞】という踊りがあります。

田舎のお祝い事の際にはお年寄りがよく踊っていたのですが、実はこの大黒舞が大黒天信仰の普及に大きな役目を果たしたと言われています。

大きな黒頭巾をかぶり、手に打ち出の小槌を持って、文字どおり大黒天の格好をして踊ります。

中世の中頃から行われていたと言われますが、おめでたい数え歌を歌いながら、毎年正月に家々を廻っては大黒天の福を分け与える踊りとされてきました。

昭和の頃には結婚式や、年祝いの席では必ず披露されていたようです。

また大黒天信仰が広がっていくに連れて、もう一つの顔-台所の神としての顔がクローズアップされるようになると、台所の中心となる竈を守ってくれる神様とされ、竈神としても祀られるようになりました。

また、大黒天が踏んでいる米俵を見ても連想できるように、農村では田の神の役割を持つようになり、商店では商売繁盛の神様という役割も持ち合わせるようになったのです。

ちなみに【大黒米】という米もあります。

これは食用ではなく、正月のお飾りとして使用される米ですが、縁起ものとして扱われているのは名前に大黒が付くからでしょう。

七福神の他の神と同じように、御利益は考えようでどんなふうに解釈できるものですよね。

この場合、大黒天の背負っている袋は、まさしく【福袋】であり、福袋から出てくる御利益は尽きないようにも思えます。

生活にある「大黒」

大黒柱
出典:http://www.cocorokobo.net/31680

【大黒柱】という言葉はご存じですよね?

ひょっとしたら若い方は「それなんですか?」と疑問に感じるかも知れません。

家の中で中心となって支える柱のことですが、転じて家族を中心的に支える人を意味するようになりました。

ちょっと前までは【大黒柱=世帯主=父親】というイメージだったはずです。

なぜ【大黒柱】と言う名前なのか、理由はかつて家を建てるときには、土間と座敷の間に中心となる柱を立て、そこに大黒天を祀ったからです。

昔の家の作りとして、座敷や台所は近接していました。

ということは、この柱は台所にもすぐ近い場所にあり、台所の神(竈の神)という条件にも当てはまったのです。

というわけでこの柱に【大黒柱】という名前がついたとされています。

「定期預金」と大黒様の関係

牧野元次郎
出典:http://sikyo.net/-/1036309

実は農業の神であると同時に、商売の神としても大黒天は親しまれていました。

牧野元次郎という実業家がいました。

1874年生まれの彼は、のちに協和銀行・りそな銀行の創業者となり、明治、大正、昭和の三世代に渡って活動しました。

牧野は大黒天を信奉したことでも有名で、銀行の業務前には社員一同に毎朝大黒様にお祈りをさせていたそうです。

彼は大黒様の【節約すべし】という教えから、日本発の定期預金(三年貯金、後に【ニコニコ貯金】の名称)を創り出して、庶民に貯蓄習慣を定着させたと言われています。

外務員が家庭を訪問し、集金するというシステムが出来たのもこれがきっかけだったようです。

大黒様は金運の神様として宝くじの当選祈願などもしてくれますが、大黒様の教えに本当に従うのなら、単にお祈りするだけではなく、きちんと節約=貯蓄をしなければならないのかも知れませんね。

大黒天の呪文

大黒天のご利益を得るには真言を唱えましょう。

オン マカ キャラヤ ソワカ

この真言は1度唱えるだけでご利益を発揮してくれる魔法の呪文のような絶大な金運効果があるとされています。

また、金運・蓄財の神様である大黒天のパワーには宝くじやロト6を当選させる秘法「大黒天名」というおまじないが強力です。

宝くじが当たる買い方と秘術「大黒天名」の方法

大黒天~破壊の神から定期預金を生んだ蓄財の神へ~ まとめ

大黒さまは同じ七福神の仲間の毘沙門天などに比べるととても気さくな感じですし、台所の神という人間にとって必要な食に関わる場所の神でもあると考えると、ますます近しく感じますね。

とは言え、親しみやすい面と元々は荒ぶる神だったという二面性を秘めている大黒天。

その両面と上手につき合って、御利益をいただきたいものですね。

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