戎

【エビス】と聞くと何を連想しますか?

ビールという人もいれば、恵比寿ガーデンプレイスという人もいるでしょう。

華やかなイメージがありますが、その元になったエビス神は七福神の一人です。

今回はエビス神について紹介しましょう。

エビス(恵比須)

恵比須エビスさまは釣竿を持ち、鯛を抱えた福々しい姿をしています。

関西では「えべっさん」という愛称で親しまれているのは有名ですね。

【エビス】という字には【夷】【戎】【恵比寿】【恵美須】などの漢字があてられています。

【恵み】といういい漢字が入っているのもありますが、【夷】【戎】の語源は、異邦人や辺境に住む人々を意味する【エミシ】【エビス】に由来すると言われています。

【夷】【戎】などの字は禍々しいものとされ、侮蔑的な呼称でした。

古代中国では漢民族居住地の外(辺境)に住み、しばしば侵入してくる異民族を【夷狄(いてき)】【西戎(せいじゅう)】などと呼び、年中争いが絶えませんでした。

【夷】という字が使われていたということは、その者達は自分たちの生活空間の外部にある異郷から禍福を合わせたものをもたらす者と思われていたと判断されます。

それがいつの間にか【福をもたらす神】としてイメージされるようになったのは、大和朝廷以降、各地の征服が進み、日本国内の辺境が無くなったからのようです。

辺境に住む者は、災いの民ではなく、既に自分たちに従属した者と判断されたのでしょう。

エビスさまの御利益

さて、異国から福を持ってくるエビス神の御利益ですが【商売繁盛】【除災招福】【五穀豊穣】【大漁守護】など商売にはとても良いものですね。

商売には他の人との関係が大事ですから、異国からやって来て、新しい環境にとけ込んでゆくエビス神とは関係が深いのは当然かも知れません。

えべっさん

漁業の神

戎釣り竿を持つ姿が表すように、エビス信仰は漁民達の間から始まったと考えられます。

大漁をもたらしてくれる神として、漁村では海辺や岬の祠に祀られることが多いようです。

また、毎年漁の初めには船主や村の若者が目隠しをして海底に入り、拾ってきた石をエビス神として祀るという所もあるとか。

また漁の収穫である鯨、鮫、イルカなどから、海中の石、海岸に流れついた流木などもエビスと呼んで祀る例もあるそうです。

これもまた、外の世界からやって来た福ということなのでしょう。

意外なことに、海岸に流れついた水死体までもエビスと呼んで、大漁を招いてくれるものとして信仰されることもあるそうです。

理由としては、海の彼方に常世の国(ユートピア)があると信じられていたので、海岸に上がった水死体もそこから来たのだろうと考えられ、海から来る神霊が大漁をもたらすと考えられたためと思われます。

商業の神

日本は中世に入ると商業が発展しました。

それと合わせたかのように、漁業神エビス神はいつの間にか商業の神さまとしての性格を持ち始めるようになったのです。

長寛五年(1163年)に東大寺内に祀られたのを皮切りに、建長五年(1253年)には鎌倉鶴岡八幡宮に市の守護神として祀られるようになったのですが、商業の発展とともに商人達が信仰するようになって来たのです。

なぜ漁業の神だったエビス神が商業の神となったのか、その背景を説明します。

海から陸に伝わったエビス信仰が、商業神として考えられるようになったバックボーンとしては、兵庫県西宮市の西宮神社を本拠地とする【夷舁(えびすかき)】または【夷まわし】と呼ばれる放浪の芸能民が重要な役割を果たしたと言われています。

彼らは人形舞を演じながら日本各地を回り、エビスの御利益を宣伝するとともに、エビス像を印刷した御札を売って回ったそうです。

もともと西宮神社は海の守護神であったと同時に、鎮座する西宮市には大きな港があり、近畿圏の交易地としても重要な拠点の一つでした。

その場所でエビス神信仰を流行らせたのですから、漁業の神から商業の神へと変化するのは当然のこととも言えましょう。

十日戎

十日戎現在では特に関西圏で正月十日の初恵比寿の日に行われる【十日戎】というお祭が有名で、その年の商売繁盛を願う商売人達で大賑わいとなります。

様々な縁起物(関西圏では笹に米俵、小判、鯛、大福帳、打出小槌などをつけた福笹など。関東圏では熊手)が売られますが、これを神棚に飾っておいて毎年新しいものと取り替えるとエビス神の福が授かると言われています。

昔は関東でも正月二十日に【戎講】と称してお祭を行う風習があったのですが、最近は11月に行われることが多いそうです。

エビスの出自

水蛭子大神日本で縁起の良い神様として知られている七福神ですが、唯一日本生まれとされるのがエビスです。

他の毘沙門天などの神々はインド生まれなのです。

エビス神は、古事記、日本書紀に登場する日本を作った原初の神、イザナギとイザナミの子どもと言われています。

イザナギイザナミが最初に産んだ子どもは【蛭児大神】と言い、体に障害があったため母親のイザナミは実の子どもを疎んじて葦の舟に乗せて海に流したと書いてあります。

流された蛭児はその後行方不明になったとされていますが、実は浜に流れついて西宮神社の祭神になったと言われています。

西宮神社は昔から商売の神様として信仰されていました。その祭神蛭児大神は海に流されました。

そしてエビスは海の彼方からやって来ると思われていました。

エビスと蛭児には共通イメージ(海)があったため、流された蛭児大神がエビスの姿で帰って来たと思われるようになり、次第にエビスと蛭児が同一視されるようになったと考えられています。

もう一人のエビス(夷三郎=事代主命)

夷三郎前述した西宮神社の祭神である蛭児大神には、夷三郎という別名があります。

同一人物のように思われますが、【夷】と【三郎】というのは、元々は別々の神だったらしいのです。

因幡の白兎の物語で有名な大国主命の子である事代主命は三郎と同一神とされ、この三郎が出雲の美保崎で魚を釣ったという伝説にちなんで、魚と釣竿を持った姿で描かれるようになったと言われています。

この姿はエビスさまと共通していますよね。

それが理由の一つでしょうか、室町時代になると、夷と三郎が混同され、夷三郎という一体の神であると考えられるようになったのです。

農業の神エビス

七福神に限らず、神さまの役割というものはどんどんと広がっていくものです。

エビスも同じく職掌が拡大して、漁業の神、商業の神に続いて農業の神としての役目も持つようになりました。

大漁や商売繁盛の神ですから、植物にも豊かな稔りをもたらしてくれるはずだ-と考えられたのでしょう。

農村では、豊作をもたらしてくれる田の神として崇められるようにもなりました。

また山村では、山の神をエビスと呼ぶ所があります。

と言うのは、田の神と山の神が定期的に行き来するという考えがあり、その考えと異国から福をもたらすという元々のエビス信仰が合体したものと考えられているのです。

エビス大黒

二福神室町時代中期頃から、大黒天とエビスの2神を並べて、【エビス大黒】として祀るようになりました。

これはかなり強引な結び付けですが、【夷三郎】の三郎は大国主命の子の事代主命であり、【大黒天=大国主命】と考えられるので、親子二体を並べて祀れば御利益も倍になる(なって欲しい)という願いから生まれた発想だと思われます。

エビス~商人に信仰された商売繁盛と漁業の神~ まとめ

【えびす顔】というのは満面の笑みを浮かべた表情のことです。

このえびすはエビス神から来ていることは間違いないでしょう。

神の名前が入っているとてもラッキーな表情ですね。

いい笑顔=えびす顔をするように意識したら、エビス神にちなんだ幸運がもたらされるような気がします。

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