縁起物として知られ、お正月には欠かせない【七福神】その中の紅一点が今回紹介する弁財天です。
同じく七福神の一人である毘沙門天とは夫婦と言われ、琵琶を抱く美女の姿で知られています。
音楽の神様として信仰されていますが、他にも意外な御利益を授けてくれる美しい女神様なのです。
弁財天とは?
七福神の中では唯一の女性で、琵琶を弾く妖艷な姿で表現される弁財天(弁才天とも書く)。
その手に琵琶を抱えていることから音楽(芸術)の神とされ、彼女を信仰すると諸芸能が上達すると思われ、広く信仰されるようになりました。
白い裸身に琵琶を抱えている像もあるようで、なかなか色っぽい神様だと思います。
別の章で紹介したように、七福神仲間の大黒天と同じように、弁財天のルーツも古代インドにあり、水の神【サラスヴァーティー】です。
サラスヴァーティーはヒンディー教の創造神ブラフマーの妻とされていますが、実は娘であったという神話もあります。
ブラフマーとの間に人類の始祖マヌを生んだそうです。
サラスヴァーティーのサラスは「水」を意味し、もともとは西北インドにあった大河の名前を指していたのが、悠然たる大河の偉大さをあがめた人々が大河そのものを神としたと思われます。
実はインドにはサラスヴァーティー川が沢山あるそうです。
一般的に川をサラスヴァーティーと称したという説もあるようですね。
そして、河がもたらす恵みへの敬意から【豊穣の女神】となり、流れる河の音がまるで音楽を奏でているように思えることから、【音楽の女神】としても考えられるようになりました。
やがて【言葉の女神ヴァーチュ】と同一視されるようになったサラスヴァーティーは、言葉(弁)の才に優れた神=弁才天となって、弁舌、学芸、智恵の女神として信仰されました。
実は弁財天とは「弁才天」と書くのが本当の名前なんですが、「べんざいてん」という読み方から「財」の字をあてはめたことで、財運をもたらしてくれる神様としても人々の信仰を集めるようになって現在にいたっているそうです。
弁財天の眷属
その弁財天のお遣いは【白蛇】とされています。
開運サイフなどで「白いお財布がいい」「蛇の財布が金運を開く」といわれますが、その両方に当てはまる白蛇が運を開いてくれるというのも納得できる話ですよね。
白蛇に願い事を託すと弁財天に届けてくれると言われているのです。
ちなみに、水神の使いは蛇とされているので、そこから弁財天の縁日が巳の日になったと言われます。
また、日本で中世以降信仰されるようになった宇賀神(人頭蛇神・女性の姿が多い)のサンスクリット語【ウガヤ】が、蛇を意味するサンスクリット語【ウラガ】に似ているため、女神である弁財天と蛇の関係が生まれたという説もあるようですが、明らかではありません。
御利益
弁財天の御利益は【商売繁盛】【金運】【財運】【招福】と言われ、七福神の中でもラッキーな神様と言えるでしょう。
また、女神だらかなのか、毘沙門天のように戦神としての顔はないようで、女性らしい職掌を担っている神と言えそうです。
水神?
弁財天はもともと【河川の神=水の神】という性格を持っていましたが、この性格は日本に入ってきてからも受け継がれているようです。
日本での三大弁才と呼ばれている滋賀県の琵琶湖に浮かぶ竹生島、サーファーに大人気の神奈川県江ノ島、日本三景の一つ広島県の厳島はいずれも水辺に祀られています。
一つの例を挙げてみましょう。
江ノ島に関する伝説ですが、江ノ島はもともと島ではなかったそうです。
そこに悪い龍が住み着き、人々を苦しめていたとか。
生け贄として子どもを差し出すように命令していたとも言われます。
ところが、あるとき大地が震動し、海上に島が出現し、天女が降り立つと悪龍を退治したと言われています。
狂暴な悪龍を鎮める力を持っている神ですから、弁財天は水神の化身に間違いないと言うのです。
別の説では悪龍は天女(弁財天)に一目惚れし、求婚。
しかし、悪龍の仕業を知っている弁財天は拒絶。
悪龍は「悪さは二度としないから、結婚してくれ」と泣き口説き、弁財天と結ばれたとか。
妻への誓いがあるので、その後に二度と悪龍は人々を苦しめないようになったそうです。
蓄財の神?
江戸時代の文化・文政年間(1804~1830)のことですが、新年に七福神を祀った寺社を参詣する【七福神詣で】が流行し始めました。
すると弁財天の役割は変化したのです。
縁日の巳の日に弁才天にお参りし、御礼をもらうと財産が増えると宣伝されるようになったので、それからは【蓄財の神】として信仰されるようになりました。
となると、弁財天は弁舌の女神ですから「弁才天」と書くのが正しいのですが、それでは【蓄財】と関係ないように思われてしまうので「弁財天」と書くようになったそうですよ。
蓄財の神たる弁財天の性格をよく表しているのは、なんといっても【銭洗弁天】でしょう。
特に、鎌倉市の銭洗宇賀福神社(通称:銭洗弁天)が有名ですね。
鎌倉ですから、源頼朝や北条氏と縁が深く、「ここの泉で神仏を供養すると天下が泰平になる」という夢を見た源頼朝が宇賀神を祀ったと言われているのです。
弁財天に参詣してお金を洗うと(硬貨でしょう)財産の増殖に御利益があると言われています。
おそらくは弁財天の水神の性格と、蓄財の性格がうまいこと結び付いたためと思われますが、お金を洗うとお金が増えるという信仰がどうして生まれたのか、その発生理由は明確ではありません。
一説ですが、お金にも霊力のようなものがあって、その汚れを洗い落とし、清浄にすることによって、お金の霊力が復活し、お金がお金を呼んで増えていくことに結び付くとも言われているそうで、人によってどんなふうにも想像力を働かせて解釈できるようです。
想像力の強さが金運を招くとも言えるのではないでしょうか。
金運を招く白蛇
弁財天のお遣いである白蛇。
蓄財の神のお使いですから、白蛇が商売繁盛、金運、幸福を招く存在として信仰されるようになったのはあり得ることですね。
今では巳の日は金運アップに効果がある日とされています。
巳の日には財布を購入したり、宝くじを買ったりするのに良い日と思われているのです。
そう言えば、蛇革のサイフは金運を上げるのにもってこいのアイテムとして有名ですよね。
蛇の抜け殻を財布に入れておくと金運が付くとも言われています。
そして、巳の日の中でも60日に一度巡ってくる己巳(つちのとみ)の日に、弁財天にお参りすると特別に御利益があると言われています。
何せ、巳の日に蛇をお遣いとする弁財天にお参りするのですから、二重にも三重にも金運と深くつながっていることは間違いないでしょう。
この日は金運アップのパワーが強くなるので、購入した財布を使い始めるのにもオススメの日ですよ。
弁財天の真言と縁日
弁財天のご利益を授かるには真言を唱えます。
オン ソラソバテイエイ ソワカ
これを3回唱えましょう。
また、弁財天の縁日は巳の日です。
特に60日に一度しかやってこない貴重な「己巳の日」に唱えると金運アップに効果的です。
弁財天~白蛇を使う蓄財と水の神~ まとめ
芸術の女神が蓄財の女神でもあった…
意外な感じですが、夫である毘沙門天で多分戦いばかりに夢中になって家庭を顧みないから、妻弁財天がしっかりとお財布の紐を握っていたのかな?
などと、一般人の夫婦に置き換えて考えてみました。
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