
忌み名というと、慎んで行動しなければならない期間の「忌み」と書くことから、なにやら穢れた名前なのかと思ってしまいます。
しかし、実は本名という意味の「諱(いみな)」のことで、真名(まな)あるいは真の名とも言われます。
この場合、本名を口に出すことをはばかるという意味から「忌み」の字が当てられているようです。
「忌み」について詳しくは以前の記事「忌中と喪中にはこんなにも運気の違いがある」を参考にしてください。
さて、本名であることはよいとして、なぜ口に出すのをはばかられるのでしょうか。
これには西洋と東洋での思想の違いが深く関係しています。
また、金運や開運といった運気の流れを語る上で、切っても切り離せないほど、とっても大切な話です。
金運アップについて興味のある方は是非最後までご覧いただけると幸いです。
索引
名前に支配される西洋思想と支配する東洋思想
よく占いなんかで「金運がない」「結婚運がない」あるいは「仕事が成功する」「大器晩成する」なんて言われたことはないですか?
実はこれ、運気をつかみ取るためには絶対にやってはいけないことなんです。
理由は思考停止してしまうからです。
「金運がない」といわれると「金運がないからお金がないんだ」と思い込んでしまったり、また「結婚運がない」とか「男運が悪い」なんていわれると結局そう思い込んで「なぜかクズな男を自ら選んでしまう」ことで相手に恵まれなかったり。
つまり「金運がない」「男運が悪い」といった【名】(な)に支配されてしまってはいけないのです。
これは主に西洋の思想で、西洋では名前を重んじる傾向にあります。
逆に東洋で重んじるのは【証】(しょう)です。
証は症状から補うべき点をみつけだし、ときには強すぎる点をうまく調整してバランスを保って善い方向へと導きます。
東洋思想において重要な役割を担っている五行で例えると、土行が不足しているなら火行を加えて補い、金行があまりに強すぎれば火行で弱めるということです。
二例ともあえて火行を選んだのには理由があります。
五行に代表されるような東洋思想は、常に相対的ですから「金運にとって常に火行が悪いとは限らない」ということも同時に言いたかったからです。
さて、陰陽五行については次の機会に詳しく紹介するとして、西洋思想の【名】と東洋思想の【証】の話に戻しましょう。
「西洋医学」と「東洋医学」
【名】と【証】の違いが顕著に出ているのが西洋と東洋それぞれの「医学」においてです。
西洋では、これまでの研究結果で得られた合理的根拠に基づいてまず「病名」を特定します。これが【名】です。
その上で、臨床試験などで確認された治療方法を決定します。
逆に東洋では、実際に起っている症状を観察し、症状の原因を特定します。これが【証】です。
東洋思想では「病名が何であるか」はあまり重要ではなく、「病名」によって症状が悪化するのを良しとしません。
病気の原因を根絶することによって治療するのです。
どちらが善い悪いではなく、思想の違いとして覚えておきましょう。
思考停止すると運命をあけわたしてしまう
「結婚運がない」と思い込んでしまうと、良い相手に恵まれても最後にはぶち壊してしまったり。
自分では「今度こそよい結婚相手をみつけた」と思っていても、なぜか毎回、遊びの男を掴んで捨てられてしまったり。
そういったことを繰り返すうちに
- 「結婚運がないからだ!」
- 「そういう運命なんだ」
- 「両親と同じだ」
と思考停止し、何かのせいにして東洋思想である原因の治療をおこたってしまいます。
最悪の場合、「お母さんが悪い」というような人のせいにしてしまうこともあります。
「結婚運がないからだ!」と【名】に支配されて何かのせいにしたり、周囲の人に責任転嫁するということは、自分の選択をあけわたしてしまうことになります。
これでは運命を投げ捨ててしまっているのと同じです。
つまり、【名】に支配されることで思考停止してしまうと、次には【運命】も支配されてしまうのです。
だから、悪いように考えないことが肝心ですが、よい【名】をつけた場合も十分に注意が必要です。
わたしは六星占術で「一生お金に困らない」と言われましたが、たしかに今までの人生を振り返ると当たっているかもしれません。
しかし、こういった善いことを言われたときでも油断をしていたら「一生お金に困らないんだ」と思考停止してしまう危険性があります。
善いように信じることは大切ですが、思い込みが激しすぎて思考停止してしまうと、悪いことと同じように【名】に支配され、【運命】も支配されてしまうということを心に留めておきましょう。
原因をつきとめて名前をつけることで支配する東洋思想
東洋思想では、古くから【名】に支配されると信じられていましたが、逆にいえば「名前をつけることができるものは支配できる」とも考えられていました。
西洋思想が【名】に支配されるのに対し、東洋思想では【名】をつけることで支配します。
先ほどの医学の話に例えてみましょう。
病名をつけることで悪化も免れないのが西洋思想といいました。
しかし、東洋思想では、病気の原因を突き止めて名前をつけることで原因そのものを支配し、エネルギーを解放させて治療します。
わかりやすくいうと。
なにか苦しみがある時に「苦しみ」という名前をつけるのではなく、ます原因を探ります。
最初はモヤモヤしますが、原因をあぶり出すように「怒りだろうか?」「嫉妬だろうか?」「さみしさだろうか?」といろいろな名前をつけていくと、ピンときて「嫉妬」だと解った途端にそれを支配できるようになり、心のモヤモヤと苦しみがスッキリするといった感じでしょうか。
これは金運でも同じで、お金が貯まらない原因は「行動力なのか?」「情報不足なのか?」解ったとき、【名】をつけて支配できるのです。
「忌み名」と「通り名」 2つの名前の理由
こういった【名】の支配という考えが、自分の名前にも当てはまるというのが東洋思想です。
陰陽師には、対象者の【名】を使って、相手に災厄をもたらす呪詛がありました。(映画『陰陽師』でもありましたね)
平安の頃には、公家や武家といった官職に仕えるものは何かしら敵対するものもいましたので、本当の名前(忌み名・真名)を知られるのを嫌いました。
したがって通常使用する名前は「通り名(とおりな)」として、本当の名前である「忌み名」を公には明かさなかったのです。
「忌み名」を知るものは親子やごく親しい間柄の人のみです。
このことから、本名「忌み名」を知っていたとしても、それを呼ぶことはタブーとされていました。
【名】を知られることで呪詛によって支配され、【運命】を術者にあけわたしてしまうことになる、これが「忌み名」を口に出すことをはばかる理由です。
【運命】をあけわたしてしまう忌み名を名乗り合ってお互いの信頼を高めることから「忌み名付け」、これがなまって「いいなずけ」となったという説もあります。
忌み名(名前)と金運 まとめ
ジブリアニメでヒット作を連発している宮崎駿監督は、日本の古い習慣や伝説を作品の中に取り入れていることはよく知られていますね。
そんな宮崎駿監督の代表作のひとつ『千と千尋の神隠し』でも同じような話があったのを覚えているでしょうか。
物語に登場するハクは、湯婆婆に名前を取られてしまったことで支配され、いいように使われていました。
そして、物語の終盤にハクは、自分の名前を思い出します。
その途端、湯婆婆の支配から開放され、全てを思い出して元の世界に戻ることができたのです。
名前をつけるときの「命名」という字は「命じる」という意味もあるでしょうが、「命を与える」という意味にとらえることもできるのではないでしょうか。
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