住んでいる住宅をひと目見られて、「風水的にいいですね」と言われることと、「家相が良いですね」と言われることは同じことでしょうか。
多くの方は、風水も家相も「家の建て方と関係すること」というような、漠然とした理解しかないのではないでしょうか。
風水と家相の関係と、司る吉凶についてまとめてみました。
索引
風水には二通りある
「風水」という言葉は、よく耳にしますが、必ずしも同じ意味で使われているわけではありません。
じつは風水は、古代中国の思想から発展したものと、日本で独自に発展したものの二通りがあるのです。
古代中国の風水
古代からの風水は、中国の自然観を元にしています。
「都市・住宅・墳墓」などをつくる際に、方位や地脈、気の流れなどを利用して、吉凶を制御するためのものです。
いわば開運と関係する、太古の環境学ともいえます。
風水のルーツは、中国の民間宗教「道教」で説かれる、「仙道五術」にあると言われています。
人が幸せに生活するうえで欠かせないものを、「山・医・命・卜・相」という5つの分野に分けたものです。
- 山:大自然の気をもらうことによって習得できる術のことです。
体術・精神統一・呼吸法などを山に入って修行することが多かったため、「山」と名付けられました。
少林寺拳法や房中術といったものが、こちらに分類されます。 - 医:中国医術または東洋医学と呼ばれるものです。
鍼や灸、漢方や導引などが分類されます。
「山」とともに、身体を健やかに鍛えることに重きをおいています。 - 命:人の手ではどうにもならない、生まれながらの宿命や命運などを、生年月日などを用いて見る学問のことです。
四柱推命(しちゅうすいめい)や九星気学(きゅうせいきがく)などが分類されます。 - 卜:「ぼく」と読み、占いのことを指します。
偶然に現れた象徴を用いて、運命の変化を占います。
易や奇門遁甲(きもんとんこう)などが分類されます。 - 相:個人や周囲の環境の表面を重視するものです。
形状によって真理を見抜きます。人相・手相・家相・地相・墓相などが分類されます。
「命」や「卜」と異なり、後天的に要素を変えることができるので、開運のための手がかりとして有効です。
古代中国の風水は、「卜」と「相」が併合されて誕生した思想です。
住宅や墓をつくるための、縁起の良い土地を探す手段として使われるようになりました。
詳しく分類すると、人の住む家を鑑定する「陽宅風水」、祖先の眠る墓を鑑定する「陰宅風水」、方位の吉凶を鑑定する「奇門遁甲」の3つがあります。
日本で発展した風水
古代中国の風水は、唐の時代(7世紀)に盛んになり、明の時代(14世紀)ごろに、現在の形が確立したと言われています。
日本における風水は、唐の時代以前の思想の一部が伝わったものです。
中国と日本の風水は、だいぶ早い時代に袂を分かっていたんですね。
日本に伝わった思想の一部に「陽宅風水」があり、日本の「家相」の起源になったと言われています。
つまり、古代中国の風水が、日本で独特の発展を遂げたのが「家相」なのです。
しかし、「所変われば品変わる」ということわざがあるように、「陽宅風水」と「家相」では、考え方が大きく異なる部分があります。
袂を分かって千年以上、別々の風土で発展してきたのですから、違いが生じるのは当然といえば当然ですね。
では、「陽宅風水」と「家相」の考え方の違いは、どのような点にあるのでしょうか。
吉相を探す「陽宅風水」
中国の風水における「陽宅風水」は、生者が住む家を鑑定するものです。
風水は、死者の世界と生者の世界を平等に扱います。
そのため、陽宅風水は、死者の墓を鑑定する「隠宅風水」と深い結びつきを持ちます。
隠宅である墓は、先祖代々の気の流れを受けつぐ場所で、家はそのエネルギーを受け止める場所とされています。
陽宅を繁栄させるためには、隠宅である墓を正しい場所に設置する必要があるのです。
現在の中国でも、風水で特に力を入れるのは、墓相をみるときだと言われています。
陽宅風水では、家の繁栄のために、吉相の場所を探していこうという姿勢があります。
日本ではいくら吉相でも、墓の場所を勝手に決めることができないので、真似できない姿勢ですね。
宗教感や生活様式が、大きく影響しているのだと考えられます。
陽宅風水の吉凶鑑定の基準「場所編」
陽宅風水の吉凶鑑定の基準は、「家を建てる場所」と「家の形」にあります。
家を建てる場所として良いとされるのが、エネルギーとなる「気」の流れが集中する場所です。
地理をみて、起伏のある土地、水流がある場所、建物が向く方位などから鑑定します。
とくに方位の問題に関しては敏感で、東西南北の吉凶をみる「四方」、木火土金水のバランスをみる「五行」、天体をもとに判断する「七政」や「九曜」といったものが用いられます。
これらを総合的にみて、家や建物の場所として、最も理想的とされるのが北を背にして南の方を見る「坐北向南(ざぼくこうなん)」です。
さらに、山を背に、水に面していれば「葬山面水(そうさんめんすい)」という条件も加わり、最強の開運位置になるのだとか。
ちなみに、香港島の地形は、風水的にみて最強だと言われています。
太祖山と呼ばれる連山に三方を囲まれ、一方が海に向かって開けているためです。
さらに青龍・玄武・白虎・朱雀の四聖獣の相も現れた地形であるため、開運のための条件がすべて揃っています。
日本の京都も、四聖獣の相をもった場所とされています。
陰陽道も、風水の派生の一つなので、関連があるんですね。
陽宅風水の吉凶鑑定の基準「家の形編」
陽宅風水の吉凶鑑定の、もう一つの基準である「家の形」は、エネルギーとなる「気」を効率よく取り込み、蓄えることを重視しています。
家を建てる位置から、壁や門の位置、屋根の形や樹木に至るまで、慎重に選んでいきます。
建造物のサイズや、道路との位置関係でさえ関係するため、かなりの大仕事です。
ここで活躍するのが、羅盤を用いた方法です。
細かい目盛りや方角などが刻まれており、北極星の方向に合わせることで、吉凶鑑定が容易にできるようになっています。
もちろん、読み取るためには、それなりの知識が必要ですが、羅盤が発明される、14世紀までの方法と比較すると、大きな差があります。
家を建てる位置で、最も重視されるのは、「水口」と「門」です。
水口は、湧き水などを水が流出することに加えて、エネルギーとなる「気」取り込んで流すための出口という意味も持ちます。
貯め込むだけではなく、気を通すことも大事な意味を持つんですね。
「門」は、気が入り込む場所とされています。
大きな流れを象徴する「大通り」に面している場合、「吉利生財(きちりしょうざい)」というお金が貯まりやすい場になるとされています。
逆に、背を向けてしまうと、出費がかさみ貧乏になってしまいます。
また、「水管貧富」という言葉があり、水は貧富を決定づけると言われています。
門の前に、池や水流を作るのは、お金を呼び込むための開運の方法です。
このほかにも、出世を望むのであれば家を真南に向ける、などの工夫があります。
陽宅風水は、人の生活にも密着した環境学でもあるため、人間が健康的に生活するにも理にかなった思想となっています。
南向きの家にすると、常に光がさしこむので明るさが確保できますし、冬は日当たりの良さから暖かくなります。
中国では建築物に風水を取り入れることが多いため、他の家の風水との兼ね合いを考えなければいけません。
門を作るにしても、他の家の門と向かい合わせてしまうと、互いに気を消耗させてしまいます。
家を高くすることも吉相となりますが、他よりも抜きん出て高いと、周囲に悪相を招いてしまいます。
開運のための条件が揃った香港島でさえも、風水を乱す高いビルの周囲に、悪相を反射するための鏡張りのビルが増えたという事例があります。
凶を避ける「家相」
日本における「家相」は、吉相を探す「陽宅風水」とは異なり、凶を避けることを重視しています。
「陽宅風水」と「家相」の発展の違いを決定づけたのは、日本の畳文化でした。
畳を敷いた部屋で、床に座ったり寝起きしたりする習慣のある日本では、家の間取りや形などは、自然と中国とは違うものになります。
また、日本の奈良時代に中国から伝わった風水の思想は、陰陽道となりました。
陰陽道は、鬼が出入りする方角である「鬼門」、外出の際に悪い方角を避ける「方忌み(かたいみ)」など、凶となるものを避けることで平穏を保つという思想で発展します。
「家相」は、日本式住宅の間取りと避けるべき禁忌という、2つのものが重なった結果できあがったものだったのです。
陰陽道は貴族と密接な関係にありましたが、江戸時代に一般向けの「家相」についての書が発行され、貴族以外にも浸透するようになりました。
明治時代には、政府によって禁止令が出されたものの、「家相」の思想は庶民の間に根付いたまま、現在にいたります。
家相の吉凶鑑定の基準
江戸時代に発行された「家相」についての書は、家を建てるためというよりも、リフォームや引っ越しの吉凶を鑑定するためのものでした。
日本では、家長と跡継ぎの血が途切れることと、家運が低下することが最も恐れられていました。
凶事を避けるため、これらの書はおおいに活用されたのです。
「家相」には、じつに15以上の流派が存在します。
そのなかの一つ、仙台藩の易学者が執筆した「家相方位指南」では、土地に適した家の建て方や改装の仕方、方位の整え方、引っ越しのための方位と時期が説かれています。
これらに配慮しなければ、災いや凶事を招くという考えに基づいたものです。
「家相方位指南」では、次のような基準で吉凶を鑑定しています。
家相の吉凶鑑定の基準①土地の形状と四聖獣の相
土地の形状で吉とされるのは、「梁土」という平坦な土地です。
また、周囲が高い場所に囲まれた窪地も「衛土」という、人や気が集中し、繁栄する土地だとされています。
四聖獣の相、または四神相応とも呼ばれる形状で、背に山(玄武)、前方に水(朱雀)、左右に丘陵や低い山(青龍と白虎)が配置されています。
火災や争いごとが起こりやすい相でもあるので、香港島や京都が四神相応であることに納得してしまいます。
家相の吉凶鑑定の基準②家の構え方と方位
家を構える場合、吉とされるのが、中央よりも西北方向を高くし、東南方向を低くする造りです。
北東と南西には、鬼門と裏鬼門があります。
ここに高い部分を造ると、家の主人の早逝や跡継ぎに恵まれないという凶事を招きます。
逆に、北西の隅を出っ張らせ、高い部分を造ると、地位が得られやすく、富を築きやすくなると言われています。
方位と高い部分の関係には、庭の樹木なども影響するため、背の高い木を植える場合にも配慮が必要です。
家相の吉凶鑑定の基準③家の部位と間取り
家の部位には、「屋敷形・門・蔵・井戸・風呂・神棚」など、様々な場所が含まれます。
吉凶を鑑定する順番なども決まっているのですが、現代の住宅では準備されない部位や、様式が変わってしまった部位などもあります。
ここでは、様式が変わりながらも現代の住宅でみられる、3つの部位を紹介します。
「不浄・水・火」などを司る場所で、人が生活する上で必須なことから、特に厳重に吉凶鑑定がされる部位でもあります。
トイレ(雪隠):
トイレは全方位、吉となる場所がないとされています。
排泄物などの不浄を処理する場所なので、衛生的に考えても、良い部位ではなかったのでしょう。
現在の住宅では水洗式になっているため、昔ほどの心配はありませんが、北東や南西といった鬼門と裏鬼門は避けます。
東も、跡継ぎが早逝する、願望の不成就、家運の低下を招くとしています。
台所のコンロ(竈):
人が生きていくためには、物を食べる必要があります。
竈は、食べ物を調理するための場所で、造りによって吉凶の違いが出やすい場所なのです。
竈を造る場所として吉なのは、東または南東の向きです。
願望の成就や、人との良縁につながるとされています。
凶となるのは北東向きの竈で、嫁姑問題が生じます。
竈の数も、「3・4・5・8」が良く、「1・2・6・9」は凶となります。
現代の一人暮らしで、一口コンロや二口コンロが駄目だとなると厳しいですね。
和室の部屋(畳間取り):
和室の部屋は、畳の数と五行で、吉凶を鑑定します。
家の主人の部屋と他の部屋が、相生(相手を強める)と相克(相手を弱める)の、どちらの関係にあるのかを見ていくのです。
1・2・9・10畳は「金」、3畳は「火」、4・5畳は「木」、6畳は「水」、7・8畳は「土」となります。
相生は「木×火」「火×土」「土×金」「金×水」「水×木」の関係、相克は「水×火」「火×金」「金×木」「木×土」「土×水」の関係です。
半畳の扱いは別で、角半畳・長半畳・三角半畳のなどの敷き方と、部屋の形で吉凶が分かれます。
四畳半は、離れや茶室以外に使用すると、家の主人の早逝や急な出費といった凶事を招きます。
以上のように、家相の吉凶鑑定の基準を見ていると、北東と南西の「鬼門・裏鬼門」が重視されていることが分かります。
また、2つの鬼門を結ぶ鬼門線や、鬼門線と直行する方位の線なども、吉凶鑑定に大切なものとされています。
家相と風水の違い|凶を避ける日本の家相、吉を探す中国の風水 まとめ
「陽宅風水」と「家相」は、大本は繋がるものの、風土によって異なる発展を遂げてきました。
積極的に吉相を探す中国と、禁忌を避けることで凶事を避ける姿勢の日本では、だいぶ性質が違いますね。
土地に困ることがない大陸と、限られた場所にしか住居を持つことができなかった日本の、違いなのかもしれません。
わたしがなぜ、金運アップの研究をしているかというと、あるきっかけがあったからです。私の友人は、ロト6の攻略をしていました。
ロト6の1等当選確率は600万分の1と言われていますが、数字を自分で選ぶという仕組み上、攻略できるように思えたのでしょう。
しかし、600万分の1っていったら、ほぼ運ですよね。
そこで私が思ったことは「ロト6を攻略するよりも金運を上げたほうが早いのではないか?」ということでした。
そして、金運アップの研究をするうちに、「貧乏には原因と結果がある」ことに気づきます。
これらの原因を追求していくうちに、わたしの心が豊かになり、「金運とはこういうものだったのか」と気づいたのです。
それは「金運アップしてどうするのか?」ということです。
金運アップできる人、できない人、全ては「原因と結果」があるはずです。
わたしは、これをみなさまと一緒に省察していきたいと思い、メルマガを配信することにしました。
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