2020|前厄・本厄・後厄それぞれの厄年の過ごし方

災難にあいやすいため、慎んで過ごすべき年齢とされる、厄年。

陰陽道が由来するという説があり、古くは平安時代から信じられてきた風習です。

しかし、「厄年」と一言でまとめても、1度きりのものではありません。

人生の3度の節目にやってきて、その前後1年も、「前厄」「後厄」として注意が必要です。

それぞれ、どのような過ごし方をすれば良いのか、詳しくみてみましょう。

厄年の年齢は

厄年の年齢は、地域や宗教によって異なることもありますが、一般的には次の通りです。

男性:25歳・42歳・61歳
女性:19歳・33歳・37歳

これらの厄年の当年は「本厄」と呼ばれます。

本厄を基準にして、前の年を「前厄」、後の年を「後厄」とします。

長い人生の中で、災いに注意して過ごさなければいけない時期は、合計9年ほどあるのです。

また、男性の42歳と女性の33歳は、「大厄」と呼ばれます。

厄年の中でも、最も大きな災難が降りかかるとされる年齢です。

厄年は数え年で見る

厄年で注意したいのは、実年齢ではなく、「数え年」で見ていくことです。

数え年とは、生まれた年を1歳として、新年を迎えるごとに1歳ずつ数えていく、年齢の数え方のことです。

母親の胎内にいた時間も、生きてきた月日として考えられるためです。

簡単に数え年を確認するには、誕生日前の人は実年齢プラス2歳、誕生日後の人はプラス1歳で計算すると良いでしょう。

ただし、地域や宗教によっては「旧暦」で数えることもあります。

旧暦の新年は、立春(2月4日ごろ)となるので、現代の暦で立春前が誕生日の方は、生まれ年が前年に繰り上がることになります。

例えば、昭和60年1月に生まれた人は、昭和59年生まれとして扱われます。

2020年の厄年は、こちら↓の一覧表を参考にしてください。

男 性 女 性
前 厄 24歳 1997年/
平成9年生まれ
18歳 2003年/
平成15年生まれ
41歳 1980年/
昭和55年生まれ
32歳 1989年/
昭和64年(平成元年)生まれ
60歳 1961年/
昭和36年生まれ
36歳 1985年/
昭和60年生まれ
本 厄 25歳 1996年/
平成8年生まれ
19歳 2002年/
平成14年生まれ
42歳 1979年/
昭和54年生まれ
33歳 1988年/
昭和63年生まれ
61歳 1960年/
昭和35年生まれ
37歳 1984年/
昭和59年生まれ
後 厄 26歳 1995年/
平成7年生まれ
20歳 2001年/
平成13年生まれ
43歳 1978年/
昭和53年生まれ
34歳 1987年/
昭和62年生まれ
62歳 1959年/
昭和34年生まれ
38歳 1983年/
昭和58年生まれ

気になる方は、厄除け・厄祓いを考えている、お寺や神社で確認しておきましょう。

「本厄」と「大厄」が定められた理由は?

陰陽道が由来という説があるだけに、厄年の災難は、科学的に証明されているわけではありません。

42歳は「死に」、33歳は「散々」という語呂合わせから来た、縁起担ぎという説もあるほどです。

しかし、男女の本厄となる年齢は、身体的にも周囲の環境的にも、人生の節目ともいう出来事が起こる時期でもあります。

 

厄年という概念が普及してきたのは、江戸時代のことと言われています。

当時の結婚年齢や平均寿命を考えると、男女の厄年の年齢は、人生の転機が訪れる時期だったのでしょう。

現代の社会においても、同じような人生の節目が見つかります。

例えば、女性の19歳~男性の25歳というのは、大学生や社会人として活動し始める年齢ですね。

また、女性の30代は、前半と後半に分かれて厄年が続きます。

現代では、出産や育児の時期と重なる人も多いことでしょう。

体力も落ちて、疲れやすくなってくる年齢です。

さらに、親の年齢もシニア層に入り、病気の心配が増えてきます。

人によっては、介護を視野に入れ始める時期かもしれません。

男性の42歳は、それなりの地位に出世した働き盛りですが、同時に大きな責任を背負います。

家庭内においても、思春期の子どもと向き合うことが多い時期。

身体的にも体力や気力が衰える時期に、ストレスや無理が重なってしまいがちです。

突然死のリスクが最も高いのは、30代後半から40代半ばまでの男性だとも言われます。

61歳の男性は、ちょうど定年を迎える時期。

退職後の生活をどうするか、という問題に直面します。

熟年離婚という言葉が流行ったように、生活が大きく一変してしまうかもしれません。

シニア層に入ることで、健康に関するトラブルが増えることも考えられます。

昔も今も、災難にあいやすい年齢であることには、変わりがないようです。

本厄・大厄の年をどう過ごすのか

本厄や大厄で受ける災難は、自分ひとりだけの問題ではありません。

家族にも累を及ぼす可能性があります。病気などが影響することはもちろんですし、仕事の業績、人間関係、金銭問題など、さまざまです。

そのため、厄除け・厄祓いは、家族そろって祈祷に向かうことをおすすめします。

厄除けはお寺、厄祓いは神社で行います。

本厄・大厄の時期は、新しいことを始めるには不向きとも言われます。

しかし、転勤など個人の事情では、どうしても予定変更できないこともあります。

このような場合でも祈祷を受けておくと、「あの時やっておけば・・・」と、のちのち後悔せずに済みそうです。

厄年など迷信!と思っていても、祈祷を受けているだけで、心理的な安心感は生まれます。

家族を安心させる、プラシーボ効果でプラス思考を狙う、といった意味合いでも受けておいて損はありません。

また、厄年があるからこそ、慎重に行動し、健康にも気をつけられると考えることもできます。

日頃の行いで、災難を退けるチャンスなのかもしれません。

前厄の捉え方

「前厄」は、次のように、本厄の1年前の年齢が該当します。

男性:24歳・41歳・60歳
女性:18歳・32歳・36歳

男性の24歳と女性の18歳は、若い時期であるため、スルーされることが多いようです。

また、前厄の捉え方もさまざまです。

  • 災難の前触れの年なので、慎重に過ごさなければいけない
  • 本当の災難は本厄の年に訪れるので、気にせずに過ごして方が良い
  • 大厄の前の年(男性41歳・女性32歳)だけに注意して過ごせば良い

前厄を、どう捉えるかによって、厄除け・厄祓いの頻度も変わってきます。

慎重に受け止める人は、本厄の前後を含めて3年連続で行いますし、あまり気にしない人は、本厄の年だけに集中するようです。

どの捉え方が自分に合っているのかを考えながら、前厄と向き合っていきましょう。

家族と相談しながら決めるのも一つです。

前厄の年をどう過ごすのか

厄除け・厄祓いについては、それぞれの考え方に従って行えば大丈夫です。

前厄は、これから心身に変調をきたすかもしれない時期ですが、重く受け止めすぎて行動を縛ってしまわないようにしましょう。

例えば、厄年でも、結婚することは「厄逃れ」になるとも言われています。

妊娠や出産も、「子どもが厄を落としてくれる」と伝えられているため、むしろ歓迎されています。

前厄の年だからと言って、行動を起こさずにいると、むしろ災難を呼び寄せてしまうかもしれません。

「本厄」のときと同様に「自分の現状を振り返る、良いチャンス」と考えて過ごしていきましょう。

後厄の捉え方

「本厄」の翌年に来るのが、「後厄」です。

男女別に、次の年齢が該当します。

男性:26歳・43歳・62歳
女性:20歳・34歳・38歳

こちらも、さまざまな解釈の仕方が存在します。

  • 本厄の年と同じくらい災難が続く
  • 本厄の年ほどではないが、小さな災難が続く
  • 本厄ですべてが終わっているから災難は続かない

いろいろな捉え方がありますが、まだ災難からは逃れられないと、深刻になりすぎるのも考えものです。

また、安心しきって油断するのも避けた方が良いかもしれません。

武道における残心ではないですが、それなりに引き締めた心で、後厄を捉えてみませんか。

後厄の厄除け・厄祓いは

厄除け・厄祓いに関しては、前厄・本厄と合わせて3年間の祈祷を受ける人もいますし、本厄の年だけという人もいます。

それぞれの解釈の仕方の違いですね。

地域によっては、後厄の次の年に、厄除け・厄祓いを受けたお寺や神社にお参りをすることもあります。

これには、無事に厄が明けたことを報告し、お礼をするという意味合いがあります。

厄明けのしきたりにも差があって、簡単にお参りだけですませる場合や、きちんとしたご祈祷を受ける場合などがあります。

地域の風習、家ごとの決まり、宗教などで違いが出てくるので、調べておくと安心です。

後厄の年をどう過ごすのか

本厄が終わり、災難が徐々に収まって来ている時期と捉え、静かに過ごすと良いですね。

ただし、こちらも必要以上に、消極的にならないよう注意しましょう。

後厄の年の、結婚や妊娠・出産も、幸せに恵まれたこととして進めていけば大丈夫です。

新しい家族を迎えた暁には、お世話になったお寺や神社にお礼参りをして、感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

厄年の過ごし方 まとめ

人生の節目に訪れる厄年は、平成に入っても数え年で見る、珍しいしきたりです。

必要以上に恐れることなく、厄除け・厄祓いをしながら、ゆったりと過ごしていきましょう。

災難に避けるために、慌てず恐れず。

自分の生活を見直すために編み出した、先人の知恵なのかもしれません。

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