現在のカレンダーではあまり見かけませんが、昔の暦には、年中行事から日々の吉凶判断まで、さまざまなことが記されていました。
暦注と呼ばれ、上段・中段・下段といった構成になったものです。
今回は、暦注下段にフォーカスを当ててみたいと思います。
索引
暦注下段とは
暦注下段とは、名前が表すとおり、暦の下の方に記されているものです。
主に、日々の吉凶判断にまつわるものが書かれています。
科学的、天文学的な根拠にもとづき、整然とされている上段とは異なり、下段は「きちんと根拠をもたない迷信」という要素を持ちます。
明治時代には、旧暦からグレゴリオ暦への改暦が行われたことを機に、暦注の使用は政府によって禁止されます。
「迷信」を排除するための方針でしたが、庶民には、なかなか受け入れられるものではありませんでした。
たくましいことに、「おばけ暦」というカレンダーを作り、足がつかないように密かに使用し続けたのです。
実は、歴史の中で暦注が禁止されたのは、明治時代が初めてではありませんでした。
1000年以上もの昔から、朝廷や政府に禁止されては復活するというサイクルを遂げています。
日々の吉凶を判断する暦注下段は、それだけ庶民の間で、長く支持されてきたのです。
科学的根拠がなくとも、吉凶を判断する、心の拠り所として大切な役割を果たしているのでしょう。
現代の日本でも、復活した暦注下段は、自由に販売されています。
暦注下段の吉凶日
暦注下段の吉凶日には、次のようなものが存在します。
完全な凶日、完全な吉日とういうのは、あまり多くありません。
特定の事柄には吉、他の事柄においては凶といったように、目的とする事柄別に、吉凶日を判断すれば大丈夫です。
七箇の善日(ななこのぜんにち)
暦注下段の吉日として有名なのが、合計7つの吉日をまとめた、七箇の善日です。
それぞれの吉日の特徴は、以下の通りです。
天赦日(てんしゃにち)
「天が赦す(ゆるす)」と書く天赦日は、天に上った百神が万物の罪を赦す日とされています。
七箇の善日の中で、もっとも吉のパワーに満ちた日なので、凶日と重なっても、凶事を赦し打ち消してしまいます。
【吉】 万事において吉、とくに婚儀や開業に大吉
神吉日(かみよしにち)
神事に関連する事柄が、とくに吉とされる日です。
他の暦注下段は、中国の暦にも見られるものが多いのですが、神吉日だけは日本の暦だけに見られます。
【吉】 祖先の祀り、参拝、祭礼など神事に関する事柄全般
大明日(だいみょうにち)
大明日の「大明」とは、太陽が天地を明るく照らすという意味を持ちます。
太陽の恩恵を受けた吉日なので、万事において吉となります。
また、凶日と重なっても打ち消す力を持ちます。
【吉】 万事において吉、とくに婚儀、旅行、建築に大吉
鬼宿日(きしゅくにち)
鬼宿日は「鬼が宿にこもる日」という意味で、外に出られず、悪さができないため世間一般では吉日となります。
お釈迦様が生まれた日でもあるため、何を行っても吉とされています。
長寿や名誉が得られやすい日でもありますが、婚儀にまつわる事柄だけは凶です。
【吉】 婚儀にまつわる事柄以外、何を行っても吉
天恩日(てんおんにち)
天恩日は「天の恩恵を受ける」という意味で、万事が成長しやすく徳が得られやすい日とされています。
他の吉日とは異なり、一度巡ってくると、5日間続くという特徴を持ちます。
慶事を行うには最適の日ですが、葬儀、怪我、病気など、凶事は避けなければならない日です。
受死日と重なると、効果を打ち消されてしまいます。
【吉】 慶事においては万事吉
母倉日(ぼそうにち)
母倉日は「母が子を慈しみ、育てるように、天が人を慈しんでくれる」という意味の吉日です。
そのため、万物が成長し、繁栄すると考えられています。
とくに婚儀にまつわる事柄は大吉とされるため、結納、入籍、結婚式の日取りなどに選ぶと良いでしょう。
【吉】 婚儀にまつわる事柄全般、建築や開業なども吉
月徳日(つきとくにち)
月徳日は「月ごとの福徳を司る」と言われる吉日です。
何事を行っても支障がない日なので、新規事を始めるのに適しています。
とくに土を動かす作業に関連することが吉です。
【吉】 何事も吉、建築、リフォーム、土木工事などが大吉
三箇の悪日(さんがのあくにち)
「大禍日(たいかにち)、狼藉日(ろうしゃくにち)、滅門日(めつもんにち)の3つを合わせて、三箇の悪日と呼びます。
生まれた年の十二支によって、凶日が決まります。
1年のうちの決められた月の3日が、三箇の悪日となるのです。
大禍日(たいかにち)
三箇の悪日の中で、もっとも凶とされる日。
大過日に物事を始めると、後に争いのもととなるとされています。
【凶】 口舌、家の修理、船旅、葬儀などが特に凶
狼藉日(ろうしゃくにち)
慎まずに過ごすと、万事に失敗するとされる日。
【凶】 万事が凶・とくに仏事に関連する事柄
滅門日(めつもんにち)
慎まずに過ごすと、一家・一門を滅ぼすと言われる日。
【凶】 万事が凶・新規事は避ける
受死日(じゅしび) = 黒日(くろび)
暦に記される際に、黒丸で印をつけられたことから、「黒日(くろび)」または「黒丸日」とも呼ばれます。
葬儀以外の万事において、慎むべき日とされています。
なかでも、健康関係には注意が必要な日で、この日に発病すると、重篤化すると考えられています。
【凶】 病気見舞い、薬の服用など健康関連。
葬儀だけは支障なし
十死日(じゅうしにち)
受死日に次ぐ凶日で、すべての事柄が凶となります。
葬儀も例外ではなく、十死日に行うのは、障りがあるとされています。
受死日よりもパワーが劣るものの、まんべんなく災いがやってくる日ですね。
【凶】 婚礼を始め、すべてにおいて凶
五墓日(ごむび)
五つの墓を意味する凶日です。
この日に葬儀を行うと、墓が五つ並ぶという恐ろしい謂れがあります。
五つが示すのは、十二支の「丑・辰・未・戌」です。
五行で分類するところの「土」の属性となるものですが、生まれた日が、これらの日にあたった人にのみ凶日となります。
【凶】 土を動かす、葬送、墓作り、種まきなど土にまつわるもの。 家作りのみ支障なし。
帰忌日(きこにち)
「きいみび」とも呼ばれる、凶日です。
「帰忌」は、天棓星(てんぼうせい)の精を指します。
地上に降りると、家の前を陣取り、家人の帰宅を妨害すると信じられています。
暦注の中で、もっとも歴史あるものの一つです。
【凶】 旅行帰り、里帰り、金や物の返却など、帰宅に関連すること全般。
血忌日(ちこにち)
「ちいみび」とも呼ばれる凶日です。
「血忌」は梗河星(こうかせい)の精を指します。
うしかい座のρ,σ,ε星にあたる星で、それぞれ「殺忌」「日忌」「血忌」という殺伐の気を司ります。
【凶】 鍼灸、狩猟、刑罰など血に関連すること全般
重日(じゅうにち)
「ちう日」とも記されることがある日で、漢字が示すとおり、物事が重なって生じる日とされています。
吉が重なることもあれば、凶が重なることもある日です。
そのため、凶事は避けて、吉事のみを行うと良いとされています。
とくに新しい物を購入する、使い始める、預金などの金銭関係が吉です。
【凶】 凶事全般、婚礼は吉事だが「再婚」が重なるので凶
復日(ふくにち)
「ぶくび」とも呼ばれ、重日と同じ効果があると考えられている日です。
婚礼を避けた方が良いことも同じです。
この日に善行を積むと、重複して大吉となると考えられています。
また、金銭を貸すことも、利益が重複するという意味で歓迎されます。
【凶】 凶事全般、婚礼は吉事だが「再婚」が重なるので凶
天火日(てんかび)
「五貧日」とも呼ばれる日で、主に五行の「火」の力が強いとされています。
火は、「天火・地火・人火」などに分類されますが、天の火のエネルギーが強まるため、火災に注意したい日でもあります。
火災以外の事柄は、とくに支障がないとされています。
【凶】 棟上げ、屋根葺き、家のリフォーム、転居など火災に遭うと困るもの全般。
地火日(ぢかにち)
天火日の反対となる日で、地火のエネルギーが強まるとされています。
主に、地面に関連することを行うのは良くないと信じられている日です。
【凶】 定礎、井戸掘り、種まき、墓作りなど地面を動かすこと全般。
時下食(ときげじき)
「下食時(げじきどき)」とも呼ばれる、特定の日付における、特定の時刻の忌みのことです。
天狗星(てんこうせい)の精が、下界に降りて食事をする時刻を意味します。
この一刻に食事をとると、すべての栄養を天狗星の精に奪われてしまいます。
【凶】 種まき、沐浴、草木を植えるなど、栄養を奪われて困ること全般
歳下食(さいげじき)
天狗星の精が食事をするために、下界に降りてくる日のこと。
時刻は関係なく、一日中あてはまります。
凶日としては、それほど強力なものではありません。
他の吉日と重なれば、打ち消されてしまう程度です。
しかし、他の凶日と重なるとパワーアップするため注意が必要です。
食あたりには、とくに注意したい日です。
【凶】 大食、大酒、種まき、草木を植えるなど、食に関連するもの全般
凶会日(くえにち)
陰と陽の気のバランスが崩れやすいため、万事に忌むべき日とされています。
たいていの吉事や慶事は、凶事へと崩れてしまいやすい日です。
【凶】 崩れると困る慶事全般
往亡日(おうもうにち)
「往きて(いきて)亡ぶ(ほろぶ)」という漢字のごとく、遠出など「往く」ことに関連することが凶となる日です。
なるべく出向かず家にいるのが吉です。
【凶】 遠出、移転、嫁入り、神仏への参拝など、出向くことに関連する事柄全般
暦注下段|禁止されながらも支持され続けた「おばけ暦」 まとめ
迷信と呼ばれ、幾度となく禁止令が出されてきた暦注下段ですが、庶民の根強い支持をもって現代まで受け継がれてきました。
暦注下段には、迷信だけにとどまらない、人に愛されるだけの理由が隠されているのかもしれません。
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